「阪神6-4ヤクルト」(16日、甲子園球場)
勝つには勝ったが、福留の独り舞台に救われた形だ。
序盤から中田は球が高めに浮いていたし、変化球もきまらない。ストレート、変化球ともに簡単にヤクルトの打者にはじき返された。
そこで切ったらなんでもない場面で相手投手の打席にも四球をだしてしまい、キャッチャー梅野のリードも台無し。
打線は高橋に完璧に抑えられ、負け試合の典型的なパターンでストレスがたまる。
ポイントはヤクルトの4番村上が下半身の不調で途中交代になったこと。その代役廣岡が4番サードに入ったのだが、そこでチャンスがつぶれる場面が6回の表と8回の表にあった。村上がいたら間違いなく追加得点になっていた場面だったので助かった。
結果これがヤクルトの運を落とすことになる。
野球は流れのスポーツだ。流れをひきよせたほうが勝つ。勝ちの流れをヤクルトは自ら手放してしまった。
転機はそのチャンスを逃してすぐ裏、6回の裏、4番大山のセンターオーバーの三塁打。これもせっかくヤクルトが手放した流れを、大山は三塁打でものにしたものの、危なくまた流れを相手に渡してしまいかねないプレーだった。
中堅手真後ろへの大飛球、フェンス直撃からのクッションボールの処理を2回にわたってミスしたヤクルトの外野陣だったが、大山は3塁で勝手にストップしてしまった。
ランナーコーチ藤本はぐるぐると手を回してホームへの指示をしていたにもかかわらず大山の勝手な思い込みで3塁止まり。ここで点が入らなければ、大きな痛手になるところだったが、次打者ボーアの内野ゴロで生還しことなきを得た。
これで1-3、ヤクルトはその前村上を下げたがために追加点を奪えておらず2点差となった。
その後、もらったフォアボール、継投策に出たヤクルトから千両役者福留がライトオーバーの二塁打。いっきに同点においついた。
その流れのまま勢いづいて、勝ちの流れをもっていたにもかかわらず、またもや投手起用と勝負どころの選択ミスで勝ち越されてしまう。
今年のタイガースはまことにこれが多い。投手コーチ陣はなにを考えなにを指示しているのか。
同点に追いついたことで、タイガースの継投は勝ちパターンの岩崎が8回、9回はスアレスということになる。
この岩崎が単打をうたれたあと盗塁を許し、送りバントでワンアウト三塁のピンチ。
ヤクルトは代打荒木。次のバッターは青木、その次は廣岡。当然代打実績もあり、右打者の荒木とは勝負をさけ、一、三塁にして青木・廣岡でゲッツーもしくは封殺狙いだと思う。
ましてや荒木のカウントは2球を投じたところで、2ボールノーストライク。申告敬遠をしてもいいくらいだ。もうストライクは投げるな、と思った瞬間、ライト前ヒットを打たれて1点を失った。
案の定その次の青木、廣岡と楽勝で抑えたところを考えると荒木との勝負はホンマにもったいない。投手コーチはなにをかんがえているのか。
その裏、サンズのホームランで同点に、同じ回、福留のツーランで勝ち越しに。
あくまで個人レベルの技術力で勝ったものの、ベンチワークにクエスチョンマークがついた勝ちだった。
矢野監督は近本に代打をだし、結果試合は動き勝利につながった。好采配だったと思う。あとは投手陣、とくにブルペンワークの建て直しを期待したい。
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